動脈硬化を改善させ血管を若返らせる物質【NO】~みんなの家庭の医学

1/15の“たけしのみんなの家庭の医学”で、
動脈硬化を改善し、血管を若返らせる物質について放送しました。
ノーベル賞も受賞した発見です。
【NO】に血管を軟らかくする作用がある!
その物質とは、【NO】です。
これは、『一酸化窒素』という化学物質なんですが、
実はとても毒性が強いものです。
車の排気ガスなどに含まれていて、大気汚染の原因にもなります。
ところが、身体の中で作られたNOは、先ほども述べたように、
血管を軟らかくする効果があります。
その結果、血管年齢が若返ったり、
進行していた動脈硬化が改善していきます。
毒にも薬にもなります
同じ物質であっても、外から入ってきた場合と、
中で発生した場合で毒にも薬にもなるとは驚きです。
家の中にいるときは、私に毒を吐き、
外にいるときは、皆に愛嬌をふりまく妻と正反対です。
血管の中で生成されたNOは、血管の筋肉をリラックスさせてしなやかにします。
この働きは、1988年にノーベル医学・生理学賞を受賞した
ルイス・イグナロ博士の研究によって明らかにされました。
どうしたらNOを大量に作れるのか?
さて、ではどうしたらNOをたくさん作ることができるのでしょうか?
答えは、血流を良くすることです。
NOは、血の流れが速くなって、
血管に刺激が与えられることで発生します。
つまり、運動や入浴が有効になります。
普段からよく運動をしている人は、
NOの分泌が盛んなので、動脈硬化の予防をしていることになりますね。
ただ、自分のようにほとんど運動をしない人間にとっては、
耳の痛い話です。
でも、悲観することはありません。
本格的な運動をしなくても、家事などで日常的に動き回っていれば、
スポーツをしたのと同じような効果があります。
それなら、
毎日、馬車馬のように掃除、洗濯、炊事で動き回っている自分は
大丈夫そうですね。
鞭打たれる毎日も、健康の秘訣だったようです。
NOを上げる入浴方法~3つのポイント
とはいえ、やはり簡単に、楽してNOの数値を上げられれば、
それにこしたことはありませんよね。
なんと、それを可能にするやり方があるんです。
その方法は、入浴時に、以下の3つのポイントを抑えることです。
NO分泌活性入浴法
2.肩までしっかりと浸かる
3.入浴時間は約10分
お風呂の入り方で
NOが増加します
番組で実験したところによると、
この方法を1週間続けたインパルス板倉さんは、
異常値だったNO量が、正常に改善しました。
その上、お風呂を上がってすぐ体が冷えていたのに、
しばらく温かさを持続できるようになって、
冷え性まで良くなったそうです。
お風呂の入り方一つで、血流が見違えるように良くなったんですね。
ちなみにこの方法は、鄭忠和先生(日本心臓病学会理事長)が提唱する「和温療法」を改良したものです。
NOの量を増やすための食べ物
さて、運動とお風呂がNOを増やすことはわかりました。
それでは食べ物でNOを増やすことはできるでしょうか?
それには、赤肉、魚や大豆製品などアミノ酸を多く含む食品が
NOの体内での分泌を助けるのに効果的ようです。
そして、その働きを高める栄養成分には、L-アルギニンや、L-シトルリンがあります。
また、ビタミンCやビタミンEといったの抗酸化成分を摂ることもよいようです。
